2026/3/11

子どものかけっこを速くする走り方のコツ|幼児から実践できる練習方法

「運動会のかけっこ、もう少し速く走れるようになってほしい」

「走り方が遅い気がするけど、何をすればいい?」

お子さんのかけっこが気になる保護者の方は多くいらっしゃいます。

結論からお伝えすると、走り方は「教えれば速くなる」スキルです。生まれながらの運動神経だけで決まるものではありません。

この記事では、子ども向けの運動指導を行う現役指導者が、かけっこを速くするための走り方のコツと、家でもできる練習方法を年齢別にわかりやすく解説します。


かけっこが速い子と遅い子、何が違う?

「足が速い子は生まれつき」と思われがちですが、実際には走り方(フォーム)の差が大きく影響しています。

速く走れる子に共通しているのは、次の3つです。

  1. 腕が正しく振れている — 腕の振りが推進力を生む

  2. 膝が高く上がっている — 地面をしっかり蹴れる

  3. 体がまっすぐ前に傾いている — 力が前に伝わる

逆に走り方が遅い子に多いのは、腕が横に広がっている・小股でちょこちょこ走る・体が後ろに傾いている、といった特徴です。

これらは意識と練習で改善できます。

きれいなフォームで走る子ども

【走り方の基本】まず直したいフォーム3つ

① 腕の振り方

走るときの腕の動きは、足の動きと連動しています。腕を正しく振ることで、自然と足も速く動くようになります。

正しい腕の振り方:

  • 肘を約90度に曲げる(伸ばしたまま振るのはNG)

  • 前後にまっすぐ振る(横に広げない)

  • 手はグーでもパーでもOK(力まないことが大切)

  • 手の位置はポケットの少し上

  • 肩は上げない(リラックスした状態で)

子どもに教えるときは、「ポケットに手を入れたり出したりするイメージ」と伝えると伝わりやすいです。


② 足の上げ方(膝の引き上げ)

「小股でちょこちょこ走る」タイプの子に多いのが、膝が上がっていないパターンです。

膝を高く引き上げることで、一歩一歩の歩幅(ストライド)が広がり、同じ力でも速く前に進めます。

膝の上げ方のコツ:

  • 前の足を「踏む」より「引き上げる」意識

  • 「高いところにある水たまりを越えるイメージ」で走る

  • 着地は足の裏全体より少し前側(かかとから着地しない)

幼児には「大きい段差を跳び越えながら走る」遊びが効果的です。


③ スタートの姿勢

かけっこは最初の数歩が勝負です。スタートの姿勢が整っているだけで、タイムが大きく変わります。

速いスタートのポイント:

  • 体をやや前傾させる(背筋を伸ばしたまま前に倒す)

  • 足はハの字ではなく、平行かやや前後にずらす

  • 「よーい」の合図で重心を前に移す

  • 最初の3〜5歩は腕を力強く振る

「位置について→よーい→ドン」の流れを繰り返し練習するだけでも、スタートは格段に改善します。


【年齢別】家でできる練習方法

幼児(3〜5歳):遊びながら速くなる方法

幼児期は「練習させる」より「遊びの中で走りたくなる環境をつくる」ことが大切です。「速くなりなさい」という指示より、楽しさが上達の近道になります。

おすすめの遊び:

① しっぽ取りゲーム 腰にタオルやリボンを挟んで走り回る遊びです。追いかける・逃げるという動作の中で、自然と全力疾走する機会が生まれます。腕を振る・方向転換するなど、走りに必要な要素が詰まっています。

② マーカーコーン走 家の中や庭にペットボトルや本などを並べて、ジグザグに走る遊びです。体のバランスをとりながら走る力が育ちます。

③ まねっこ走 大人が「カニ走り」「大股走り」「スキップ」などいろんな歩き方・走り方を見せて、子どもにまねをさせます。多様な動きを経験することが、走りの土台になります。


小学生(6歳〜):フォームを意識した練習

小学生になると言葉での理解ができるようになるため、フォームを意識した練習が効果的になります。

おすすめの練習:

① 腕振りだけ練習(その場で) 走らずに立ったまま、腕の振りだけを練習します。肘を90度に曲げ、前後に大きく振る動作を体に覚えさせます。1回30秒×3セット。

② 高膝ドリル(もも上げ) その場で膝を交互に高く引き上げます。ポイントは「速さ」より「高さ」。最初はゆっくりでOK。慣れてきたら少しずつテンポを上げます。1回20回×3セット。

③ 短距離ダッシュ(10〜20m) フォームを意識しながら、10〜20mの短い距離を全力で走ります。長い距離より短い距離を繰り返す方が、フォームの改善に効果的です。5〜8本が目安。

④ スタートダッシュ練習 「よーいドン」のスタートだけを繰り返します。最初の5歩に集中して、体の前傾と腕の力強い振りを意識します。


「速くなる」より大切なこと

かけっこの練習を続けるなかで、一番大切なのは「走ることが好き」という気持ちを育てることです。

タイムやクラスの順位ばかりを気にすると、子どもは「かけっこ=プレッシャー」と感じるようになります。

特に幼児・低学年のうちは:

  • 「昨日より速くなったね」 と小さな成長を認める

  • 「楽しかった?」 を「速かった?」より先に聞く

  • 順位より「全力で走れたか」を褒める

こうした関わりの積み重ねが、長期的に運動が得意な子を育てます。

走ることが好きになれば、自然と走る機会が増え、結果としてどんどん速くなっていきます。


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まとめ

子どものかけっこを速くするためのポイントをまとめます。

  1. 走り方は練習で改善できる — 生まれつきの才能だけではない

  2. まず直すべきフォームは3つ — 腕の振り方・膝の上げ方・スタート姿勢

  3. 幼児は遊びの中で練習 — しっぽ取り・まねっこ走などが効果的

  4. 小学生はフォームを意識した反復練習 — 短距離ダッシュ・もも上げなど

  5. 「速くなる」より「走ることが好き」を育てる — それが一番の近道

運動会シーズンはもちろん、普段からコツコツ練習を続けることで、お子さんの走り方は着実に変わっていきます。

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